がんが不治の病とされていたのは昔の話です。昔は流行のテレビドラマや映画などで悲劇性を高めるために主人公や、主人公にとって大切な人ががんに侵されながら亡くなっていく姿が視聴者の心に訴えるかのような演出の中で描かれていました。テレビの影響は絶大ですから、がんに対する知識が十分でない人々が、がんは不治の病だという印象を持ってしまったのです。しかし、医学の進歩とともにがんが完治するケースが増えてきました。
また、がん検診の精度も上昇しているので微細ながんも発見できるようになってきています。がんが不治の病であったのは過去の話ですが、現在でも完治させるためには早期発見・早期治療が必須です。そのためには定期的ながん検診をするように心がけなくはならないのですが、がん検診の受診率が依然として低いのが現状です。国や自治体も低料金での検診の実施や無料クーポンの配布、啓蒙キャンペーンなどを根気よく実施することで徐々に受診率は上がってきましたが、依然として目標の50%には届いていません。
人々はなぜがん検診を受けようとしないのでしょうか。その理由は、実際に病気だったら怖いという精神的な理由や、健康な状態ではあまり病院に行く気がしないなどの危機感の欠如、忙しくて検診に行く時間を作れない、健康診断などの料金が高いなどの経済的な理由も含まれています。レントゲン撮影が嫌な人もいますが、年に一回程度の検査なら安全ですので気にしないことが大切です。